道外れの人生(改)

■思い出のD店
この機種には長い間お世話になったが

その分だけ色々な思い出がある。

今回とは別の思い出話は過去記事を参照して

いただくとして。
思い出のパチスロ！『大花火』新台入れ替え初日に5000枚をゲットするも・・・～パチスロ名機物語外伝37～
1999年パチスロ！ドンちゃんシリーズ最大のヒット！大量獲得機『大花火』の思い出。
1ビッグ最高711枚獲得（パーフェクト）の設定6打ち換えイベントで大事件勃発！
機械割140％超え！大量獲得機で一番売れた『大花火』設定6で一万枚出した時の実戦データと思い出のパチンコ屋
店長のミス！クレジットに設定が表示されたままの台『大花火』設定6のはずが設定1？


その一つに最も印象に残っているのが

パーラーDという店での出来事。




この話は諸事情があって書こうか迷ったのだが

特にネタが思いつかないので、今回記事にした。


・・・さて、このD店は昭和40年代には既に

営業していた昔ながらのパチンコ屋で、外観も

私が住んでいた地域では流行っていた

正面入り口が全面ガラス張り（当時から打っている人には

わかるだろう）の如何にもな小規模店である。

で、90年代中頃までは常連はとにかく

香ばしい連中が多く、若い女性客は

ほとんど居なかった。

その理由は裏モノが多かったから。
※当時は元々女性客は少なかったが。


ただ90年代後半に入って、客層が

ガラリと変わり、比較的入りやすい店に

なっていった。

家から遠い店なので90年代中頃は車もなかったし

あまり行くことはなかったが、クランキーコンテストが

導入されてからはちょくちょく行くようになったのだ。

そして2000年末頃になってD店からはすっかり

遠のいていた頃、大花火が裏返っているという

情報を聞きつけた。

当時はこれだけ大ヒットしている人気機種なのに

敢えて裏にする必要があったのか？

そう考えていたが、D店は90年代後半に入って

既に客が飛んでおり、大花火も裏モノにせざるを得ない

状況だったのだろう。

とは言えこの頃、既に全国的に大花火の

裏モノが話題となって、一部の雑誌でも

取り上げられるほどで、漫画にもなっている。
※パニック7のパチラッチ参照。

ここで大花火の裏モノについて知らない方に

いくつかのバージョンを紹介しよう。


■裏大花火のバージョン
①5連1セットバージョン
最も有名なのがこのバージョンだ。

その名の通り、状態に突入すると必ず

BR混合で5連チャンが約束される。

状態中の初当たり上乗せもあり

上乗せするとさらに5連がプラスされる。

私はこのバージョンをD店ではない別の裏モノ店で

打った記憶がある。


②小役カット状態バージョン
小役を0～70％任意でカットできる。

状態突入率や継続率も任意で調整可能。


③チェリー前兆バージョン
通常時のチェリーが極端に低い確率で

抽選されているが、一度引くと状態に突入する。
※1/5000～1/30000？


④32Gバージョン
ハイシオやハナハナの裏モノと同じような仕様。

通常時の小役カットと初当たりもカットされており

ビッグ初当たり時のみ状態突入抽選を行う。
※レギュラーはノーマルと同じ確率で
状態突入抽選は行わない。

一度状態に突入すれば32G以内の連チャンが続く。

最大40連まで振り分けが存在し、そのほとんどが

ビッグという爆裂バージョンだ。


⑤1G連バージョン
ビッグの初当たりは大幅にカットされており

レギュラーから状態突入抽選を行う。

状態に突入すると継続抽選に漏れるまで

ビッグの1Gが続く。

おそらく裏大花火の中で最も過激なバージョン。


もちろんこれ以外にもその店特有の裏モノ

いわゆるハウスモノはいくつも存在していたようだ。


■裏大花火で一撃8000枚オーバー！
・・・で、問題のD店はこれらどれかのバージョンなのか

はたまたこれら以外のハウスモノなのか、ガセネタなのか

それをはっきりさせるために久しぶりにD店に

打ちに行くことにした。
※ハウスモノとはその店だけにしかない
裏モノの意。


この店に最後に打ちに来たのは1999年頃の

クランキーコンテスト以来と実に2年振り。

その頃はまだそれなりに客は入っていたのだが

開店過ぎに駐車場に車を停めると、車は2～3台で

店内に入ると客は数人程度しか居ない。

相変わらずの古臭い内装と、設置機種（後述）に

心が躍っていたのだが、正直これだけ

客が飛んだ状況で、どんなバージョンかも

わからない裏大花火を打つのは

かなり勇気が必要だった。


ちなみに設置機種は初代ジャグラー、ウルクラ3

コンテスト（裏確定）、レッツ、ドギージャム、トリコロール96

電撃あらっ太郎（裏確定）、デートラインテラ3（裏確定）

そして大花火（裏確定）だ。

当時としても少々古めの機種が設置されており

中々のラインナップである。
※他にもあったが覚えていない。


©高砂電器


で、大花火の全台のデータを見ていくと

2000回転以上でノービッグの台を

何台も見かける。
※レギュラーは見れないデータ機。

ただ過去最高ではビッグ60回超えも

見かけたので2万枚超えの台もあるようだ。

裏なのは間違いないだろう。

大花火の島は私以外に客はおらず

昔のように香ばしい連中も見掛けないし

居心地はいい。

ということで数日間凹んでいる一台に腰を下ろし

実戦スタート。


・・・これがとにかく当たらない。

通常時の小役は微妙にカットしているような

気もしたが、まるでノーマルの低設定を

打っているような感覚。

やっと当たったのはたしか朝一から

ストレートで1000ハマリしてからだと思うが

そこからちょくちょく当たるものの

当たり方がまるでノーマル低設定の挙動。


（これのどこが裏モノなんだ・・・？）


過去のデータを見る限りはたしかに

裏モノだった時期はあったようだが

既にノーマルに戻ったのだろう。

そう思い、下皿が飲まれたらヤメようと

していた。


・・・が、飲まれかけで引いたビッグを機に

突如台が急変。

早い連こそないものの、200G以内で

ボーナスが当たり続ける。

連は遅いが、1ビッグの出玉が多いので

出玉は少しずつ増えていく。

ノーマル高設定？


一瞬そう思ったが、このガルフの状態の

ような連の最中にさらに1G連を含める

一桁連が始まる。

そして一撃で8000枚ほどの出玉を獲得。


・・・後々調べてみるとこれは関西地方で

存在した状態バージョンに近い。

通常時のコイン持ちと初当たりを

若干カットし、状態には突入しやすく

抜けやすいという一見ノーマルのような

出方をするのだが、たまに猛爆することも

あったという。
※コイン持ちと初当たりカットは
店側が任意に設定し、その分爆発力も
調整していたようだ。

これは先ほど説明した①～⑤のうちの②に当てはまる

小役カット状態バージョンに近いと思われるが

私が打ったこの大花火は若干仕様がおかしかったので

おそらくハウスモノなのかもしれない。


・・・とまあ投資は5万ほどだったが、回収どころか

大勝ちしたし、バージョンも何となくわかったので

キリの良いところだし、ヤメようかと

思っていたのだが、ここで事件が起こる。


大花火を打っている時に既に気付いていたのだが

私が連チャンし始めてから、島に数人の客が

入ってきた。

私が出しているから、釣られたのだろう。

その程度に思っていたのだが、客層が

どうもガラが悪い。

というよりも間違いなく、そっち系の方達だ。




「兄ちゃん出してるねえ、なんで
こんな店きたのよ？」


推定40代半ばのサングラスを掛けた

オールバックのオッサンに突然話しかけられるが

私は顔を見ずに適当に返事。

昔パチ屋でジグマしたことがある人間ならば

わかると思うが、「何でこんな店来たのよ？」

という言葉は、邪魔だから俺達の島に来るな

という意味でもある。

この時期は既に4号機の爆裂AT機がもうすぐ登場

間近だった頃で、パチンコ屋は徐々に

アミューズメント化し、若い女性でも気軽に入れるような

店が増えていたが、D店のような古い店には

まだまだ癖の強い常連達が残っていたのだ。


（うわー面倒だなこりゃ・・・）


一人なら別にどうってことはないが

どう見ても仲間が4～5人は居る。

しかも一人は昔見たことがある常連で

その頃から一度も話したことがなく

かなり気まずい。

さらに大花火の島の一番奥から

こちらを睨んでいる紫のスーツを着た男が居る。


・・・これはマズイ。

そう思い、さっさとヤメようとしていたら

紫のスーツを着た男が急ぎ足で寄ってきた。


（コイン盗られる・・・）


そう思い、逃げようとしていたら・・・


「おい、○○（私の名前）！」


紫のスーツの男の顔を見ると、なんと紛れもない

私の兄貴（本物）だった。

どうやら兄貴は舎弟達を連れて遊びに来ていたようで

この時の私はまさに九死に一生を得たのである。
※当時兄貴は既に裏の道にどっぷり
浸かっており、D店の近くに住んでいたのだが
私に絡んできた男も兄貴の知り合いだった。


・・・こうして私がまだまだ青い頃にパチ屋に

連れて行ってもらった兄貴と久しぶりの再会

（数年振り）を果たしたのである。

ちなみに兄貴は当時は既にパチスロはほとんど

打たなくなっていたのだが、D店の大花火は

ちょくちょく打っていたそうで、一度2万枚を

出したことがあるらしい。
※目押しの苦手な本人談なので真相は不明。


昔ながらのD店の裏大花火。

今は既に閉店（2006年頃？）しており、近くを

通ることも無くなったが、ゲームセンターなどで

大花火を見掛けると、たまにふと当時のD店を

思い出すのである。