道外れの人生(改)

パチプロ歴40年以上！0号機時代から毎日パチ屋で打つ孤高のパチ＆スロプロおじさんの正体、9/22、24稼働。

• 2019/09/24
• 16:46

私がごくたまに打ちに行くパチンコ屋F店。

この店は昭和50年代から営業している小さな

老舗店で、今も昔からの常連が僅かながら

残っている。


その中に私がパチンコ屋に行くようになった

90年代半ばのコンドル時代から

既にパチンコ・パチスロで喰っている

おじさんが居る。

歳は知らないが、おそらく60過ぎ。

私がF店に初めて来店した90年代中頃には

既に常連だった彼は0号機時代から

パチンコ・パチスロを打っている。

どこか影があり、いつも無表情で淡々と

打っている。

たまに笑顔を見せる時は稼働が終わり

換金する時。

今日も一日期待値が稼げて

ようやく酒が飲めると、若葉を燻らせながら

ニンマリするのである。




東大を中退し、パチプロとして

人生を歩む道を選んだ男

あの田山幸憲氏にどことなく似ている彼は

今でもプロとして生きているのだ。




F店は商店街の一角にある小さな

パチンコ屋で、今でも営業しているが

残念ながら状況は・・・


先日、久しぶりにF店を覗くと彼と

10数年振りにバッタリ遭遇し、近況を

聞いたのだが、今はF店と他店のパチンコで

喰っているのだと言う。

パチスロは5号機以降、もうほとんど

打っていないようだ。


「もうどれくらいこれで喰ってるんですか？」


20年越しの質問。

私はずっと気になっていた疑問を

投げかけてみた。


「F店がオープンする少し前だから・・・
もう40年以上になるなあ」


多くは語らない彼。

私もこの生活は長いが、単純計算で

私の倍以上これで喰っているわけだ。

決して世間によく思われない稼業であるが故なのか

彼は独身であり、アパート暮らし。
※自称だが。


で、バッタリ遭遇した日、F店はとても打てる

状況ではないので、私は他店を見に行こうと

したのだが、ちょうど彼も店から出てきた。

黒いボロボロの軽に乗り、駐車場から

出て行くのを見て、私は何を思ったか

彼の後を付けることにした。


普段どういう生活をしているのか。

40年以上続けるパチプロがどんな惨めな

生活をしているのか。

パチプロは決して幸せになれないということを

確信するために、私は彼に付いていく。


途中ホームセンターに寄り、何やら買い物を

済ませた彼は再び車を走らせる。

すると10分くらい走らせたところで

車が停まる。

・・・そこはアパートどころか、推定100坪以上は

あるだろう豪邸。


そういえば彼がまともに勝っているところを

あまり見たことがない。

たしかに毎日パチ屋に朝から晩まで居て

釘読みも上手いし、知識もあるが

たまにすっとんきょうな台に座っていることも

ある。

そう、彼はパチプロでも何でもない。

ただの金持ちジジイだったのである。


そうなってくるともう一つの疑問が湧いてくる。

何故アパート暮らしだと嘘を付き、タバコは若葉

ボロボロの軽自動車に乗っているのだろうか？

何故敢えて自分が金持ちだということを

隠す必要があるのか？


昔、いつも私に負け自慢をしていたが

それはもしかすると人に妬まれず

目立ちたくないという貧乏性が

彼をそうさせているのかもしれない。


そう、彼は元々貧乏だったのだろう。

それがいつしか豪邸に住むようになった理由は

パチンコでは絶対にあり得ない。

宝くじにでも当たったとしか考えられない

のである。