道外れの人生(改)

【犯罪者を打ち子に雇った結果】
ゴーストショックは設置も少なく、打った人も

少ないだろうが、一言で言えば獣王だ。

ほぼ毎ゲーム15枚役がテンパイし、それが

ズレたら純ハズレかボーナス。

設定6は私の記憶が確かなら獣王ほどではないが

純ハズレを引けば高確率でATに突入する。

そんな獣王のマイナーチェンジ版である

この台には苦い思い出があるので、今回は

それを紹介しよう。


2001年某日。

その日は某店のイベント狙いに来ていたが

しっくりこずに帰り際、近くにあるM店を

覗いてみることにした。




この店は古くから営業しており、80年代から

90年代前半までは随分と流行っていたそうだが

その後大手のパチンコ屋が近くに次々とできてからは

客も少なくなっていった。
※ちなみに経営者はその筋の方々で、事務所も
割と近くにあったので、たまに店で普通に
打っていることもあった。


で、店内を覗くと相変わらず人は居ないが

パチンコの釘は甘い。

2円交換だが、某平台（名前は憶えていない）に

毎日1万発以上出る台があったので

某店の設定狙いにスカるとたまに

M店にパチンコを打ちに来ていたのだ。


ただ、この日はパチスロコーナーに

「安定」と「爆裂」なる札台が刺さっており

しかもそれが新台のゴーストショックだけ

だったのだ。
※台数は3台くらいあったが、バラエティのように
バラバラに設置されていた。


で、その札台は2台共出ていたので

これは設定56を使っているのではないかと思い

翌日も同じ札台イベントをやるということで

朝から行ってみることにした。
※パチスロは7枚交換。


翌朝、知り合いをテコに雇って二人で

M店に向かう。


ちなみにこの知り合いというのは古くからの知人で

過去に窃盗や傷害で何度か捕まったことのある

荒くれ者で、金にもだらしなく、私は何度も

金を貸したことがある。

で、彼に貸した金をテコで雇って

少しでも返済させようと思ったわけだ。




M店には開店直前に行ったのだが、先客は

当然のように0人。

ふてぶてしいリーゼントの店員に軽くお辞儀され

いざゴーストショックへ向かう。

案の定前日と全く同じ台に同じ札が刺さっており

設定変更の跡も無し。


で、打ち出すと、これがテコが打っている

安定札が朝からビッグ引きまくりのAT入りまくりで

設定6濃厚。

私の台はビッグも引けず、純ハズレからも

一向にATに突入しない。

ゲーム性も獣王の劣化版ということで

イマイチ。


ということで6ではないと判断してヤメて

私だけ近くにあった某店を覗く。

ここで大花火の履歴が悪くない台を

発見してそのまま打っていた。


・・・時間は夕方くらいだろうか。

テコの状況を聞くためにメールをしてみるが

返信が無い。

この時点で気が付くべきだったが

気にせずに夜まで大花火を打って

それなりに出てヤメ。


その後閉店前だったのでM店に戻ると・・・

テコが打っているはずのゴーストショックが

何故か空席になっている。


（あの野郎・・・）


私は顔を真っ赤にしながら

彼に連絡するも電話に出ない。

8000枚突破の札を見て、茫然と立ち尽くす

私は彼のアパートに向かうが、鍵が掛かっており

家には誰も居ない様子。

怒りが収まらない私は、しばらく待機して

彼が帰ってくるの待ったが、夜中になっても

帰ってくる雰囲気が無い。


結局彼とはその後音信不通となり

住んでいたアパートもいつの間にか

引き払われていた。


・・・あれから18年。

彼に貸した数十万と、持ち逃げした

10万以上の金は未だに返済されておらず

噂では現在大阪のスラム街でその日暮らしを

しているという。

私もいずれ行くことになるであろう場所で

先に待っててくれる彼にもし再会したら

その時はワンカップでもご馳走になるつもりである。