先日、2000年前後の第二次裏モノ全盛期に
かつて裏モノの聖地だった神奈川に引っ越した
パチプロの知人から連絡があった。
「廃業するわ」緊急事態宣言を受けて都心部やその付近の
地域のパチンコ屋が営業を自粛する中で
初めて一か月以上稼働を休んだという。

彼は私と同じ4号機技術介入機世代であり
設定1でもフル攻略ならば日当2万超えの
コンドルやタコスロで育ったプロである。
しかも私とは違い、初めてパチスロを
打った時からリールの絵柄がコマ送りのように
見える目押しの達人で、ビタ押しは
鼻くそをほじりながら小指でするほどだ。
そして何よりも5号機時代に突入しても
彼のモチベーションは衰えることなく
毎晩の下見は欠かさず、店回りには
一日掛けるほど。
そんないつの時代でもやるからには徹底していた
彼がついに根を上げたのである。
「店が営業していなければ生きていけない」電話越しに聞こえる彼の声は
心なしか震えていた。
パチプロは一般社会の人間にはよく思われないし
特にそれがパチンコパチスロが好きな者だと
妬まれることも多い。
それは生活のために仕方なく働いて
国に税金を引かれる一般人に対し
ロクに税金も払わず楽しいパチンコで
勝った金で生活している自由なパチプロなど
妬まれて当然というわけだ。
ただ前述した彼は私のようなそこら辺の
パチプロとは違う。
困っている親に毎月10万の仕送りをしながら
ボランティアでホームレスの炊き出しに
参加する彼は、情に厚く、きっとパチプロと
ホームレスは紙一重だということを
よく理解しているのだ。
神奈川で細々と暮らし、20年近くも
ピン稼働。
愛した人が居たこともあったが
結婚することはなく、いつも孤独感にも襲われながら
ただひたすらパチスロを打つ。
そんな生活を長く続けてきたが、それが
ついに終わるというのだ。
【彼が廃業・破産した理由】彼がプロを廃業した理由はパチ屋が
営業を自粛したからであり、結局
パチプロ・スロプロはパチンコ屋に依存する。
我々はパチンコ屋が無くなれば終わりなのだ。
もちろん今のコロナ問題が収束したとしても
しばらくパチ屋は出せないだろう。
探せば勝てる台はあるだろうが
果たしてオイシイのか、という話。
この稼業は続ける意味が無い。
パチンコ・パチスロで生活する意味は
元々普通に働くよりもオイシイからであって
そうでないのならリスクしかないプロ生活など
価値がない。
そして彼がもう地元に帰る金しか残ってないと
私に破産宣言したのは、何もパチスロで
負けていたからではない。
随分あったはずの貯蓄を全て親に渡して
一からやり直そうと見切りを付けたのだ。

・・・コロナによって廃業するパチプロは
彼と同じように今後益々増えるだろう。
コロナ問題が収束するまでは人が集まるような
娯楽施設は自粛するしかない。
サービス業界同様にパチンコ業界の未来は
暗いのだ。
今のパチ屋を見てわかる通り、5号機初期の頃と
同じような客の少なさだということは
誰もが気付くはずだ。
・・・そんなわけで廃業した彼は最近になって
私が住む地元に帰ってくるのだが、私は
会う気は今のところない。
「歓迎会をやるから飲みに行こう」久しぶりに会う彼にそう誘いたい気持ちはあるが
それはどうしてもできない。
もしかすると忘れているのかもしれない。
何も言われないのかもしれない。
20数年前に彼から借りた8万円を
いつ催促されるのかと思うと
私は彼に会うことはできないのだ。
人間のできた彼から借りた、たった8万円の
はした金を踏み倒そうとしている自分が情けないが
それでも今の私にとって8万は8億円くらいの
価値がある。
金を返したくないという私の心は
誰よりも荒んでいるが、それ以上に問題なのは
そんな一から真面目に仕事をしようとしている彼に今
また金を借りようか迷っているところである。
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http://mitihazure.blog.fc2.com/blog-entry-1413.htmlコロナで廃業!パチスロが誰よりも好きだった破産したパチプロ。
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