道外れの人生(改)

■スロプロSとの再会
まだまだ4号機が活躍していた2007年。
※4号機の設置期限は同年9月30日。

獣王の5号機がノーマルタイプで

復活するということで当時は話題になったが

いざ蓋を開けてみると人気はイマイチだった。

それも当然、けものっちはノーマルタイプであるため

爆裂AT機獣王としての面影は一切なく、あの

ひりつくゲーム性は失われていた。


私がこの機種を初めて打ったのは

4,5号機時代にオープンした大型店N。




N店は5号機初期までメインに

立ち回っていたところで、客付きも良く

高設定もそれなりに使っていた優良店だ。


・・・というわけで某日、N店に新装で導入された

けものっちの初日に参加。

導入は4台くらいだったと思うが、私の他に

座っていたのは隣に一人だけ。

とりあえず軽く触ってみようということで

打ち出したのだが、急に隣の男から

話かけられた。


男「久しぶりだね～」


一瞬誰だかわからなかったが、よく見ると

彼は私が昔、某T店のジグマをしていた時に

いつも居たプロの知り合いである。

名前はSで年は一回り上。


私「あ～どうも、久しぶりですね」


私がT店に通っていたのは、丁度獣王が

導入された時期で、Sと会うのは実に6年振り

ということになる。


Sは元々過去にN店と同じ系列店でサクラをやっており

いつも先頭で並んでいたので、話すようになった。
※サクラと言っても店ぐるみではなく
設定を決める営業と知り合いだったため
こっそり設定を流してもらっていた。
機種はハナビの設定56。

時系列が少々わかりにくいが・・・

1998年頃・・・某店でスロプロSと知り合う
2001年頃・・・T店でSと獣王をメインに立ち回る
2007年5月・・・N店でSと再会

こう書けばわかりやすいだろう。


で、Sの話を聞くと、彼は4,5号機時代に

スロプロから足を洗ってからは真っ当な

仕事？をしているという。

ただ獣王の後継機が出るということで

久しぶりに遊びに来たようだ。


・・・Sは当時はかなり腕の立つスロプロで

T店の獣王だけで3か月で1000万勝った男。

もちろん私と同じくテコも雇っていたが

月に300万以上も勝つのは当時の甘い時代でも

難しい。

それだけT店の獣王が甘かったということだが

Sは店員と仲良くなるのも上手かった。
※毎日設定6が2台以上あった。

店員と仲良くなり、飲みに行き、最終的には

店の人間を買収する。

彼はその方法で店長から猛獣王の設定6を

聞き出したこともあったし、とにかく人を

操るのが上手い詐欺師のような男なのだ。

これでT店の設定状況も大体は把握できていた

というわけだ。

今ではこんなことをすればすぐに問題になるが

小規模店が多かった当時はSNSも無く

アナログ時代ならではの攻略法である。


・・・そんなSと6年振りに再会した私は

久しぶりに二人でけものと戯れる。

が、肝心の設定はどちらもゴミクソ台

ということで早々にヤメ。

既述した通り、ゲーム性も特リプ待ちという

残念な仕様。

二度と打つことはないと誓った。

サバンナパークに続き、獣王の後継機は

猛獣王以降ロクでもない台ばかりである。
2001～2003年パチスロ！爆裂AT機の始まり、4号機『獣王シリーズ』の思い出。


そうして昼過ぎには二人共早上がりして

久しぶりにSに誘われて飲みに行くことになった。

平日の昼間から酒を飲み、技術介入機や大量獲得機

爆裂機時代の昔話で盛り上がったのだが

ある程度酔いも回り、いい気分になってきたところで

Sから突然こんな話を持ち掛けられた。


S「今投資しているんだけど一口買わない？」




簡単に言うとマンション投資。

年利は10％で一口100万だという。

投資詐欺も流行っている中で、そこまで

よく知らないSの話だ。

当然私は断った。


それにしても久しぶりに会った元スロプロ仲間に

いきなり金の話を持ち掛けるとは

クソ野郎だなと思いつつ、この日は

数時間酒を飲み交わし、解散。


・・・それからパチスロ業界が5号機時代に

完全移行して、しばらく経ったある日。

Sとの共通の知り合いから、Sが詐欺で

捕まったとの連絡を受ける。

パチスロのサクラで生計を立て、その後は

自称投資家として荒稼ぎしていたようだが、ついに

天罰が当たったようだ。

刑期は執行猶予付きの3年。

彼は本物の詐欺師になっていたのである。