道外れの人生(改)

■並ぶ場所を間違えた男
2002年夏頃。

某G店がAT機のイベントを開催するということで

前日から徹夜並びをすることにした私。

知り合いのテコを使っての12時間並びだったが

この店のAT機のイベントは必ず対象機種に

設定6を複数台入れるだけでなく、入れる位置が

大体角台だったので、その価値は十分あったのだ。




G店は私の住んでいる家から車で

1時間くらいのところにあった今は亡き

郊外の中型店。

店自体は古く、普段の客層は年配客が多かったが

イベントになるとプロもそれなりに来るような

優良店だった。


で、イベント当日前夜の1時頃。

私はテコを迎えに行き、そのまま

G店に向かった。

店に到着するとまだ誰も居ない。

ということで並び場所に向かい、物を置いて

車の中で待機することにした。

辺りはまだ暗いし、他に人が来たら

並べばいい、ということで車内でテコと二人で

酒盛りしながら時間を潰す。




・・・が、何本目かの缶ビールのフタを開け

酔っぱらってきた頃、そろそろ後続の客が

来ると思っていたが、1時間経っても

2時間経っても来る気配がない。

いつもなら他に深夜から徹夜並びするプロ連中も

居るはずなのだが、この日はどういうわけか

誰も来ない。

特に深くは考えず、それならば酔っ払った

ことだし少し仮眠を取って車の音が聞こえたら

並べばいいだろうと思いそうすることにした。


・・・で、酔いも醒めない明け方5時頃。

太陽の日差しで目が覚めた私達だったが

相変わらず誰も居ない。


『何かがおかしい・・・』


テコが店の周りの様子を見てくると言ったので

任せると・・・


テコ「おい、もうあっちで並んでるぞ！」


私は驚いてテコが指差す店の裏側に向かうと

なんと既に20人以上の客が並んでいる。

どうやら最近になって並び場所が変わったようで

車も皆、奥にある第二駐車場に停めていたのだった。

気が付かないわけである。




ふざけるなこの野郎。

本来なら店前に説明書きくらいあるようなものだが

何の説明書きもしていなかった。

私は怒りに任せて憎たらしい店長の胸ぐらを

掴んでやりたいところだったが

5時間近くも気が付かなかった私も悪い。


あまりの失態に恥ずかしくなり、そのまま帰ろうかとも

思ったのだが、既に酒盛りで酔っていたので

飲酒運転で帰るわけにもいかず

とりあえず並びに参加。


・・・で、並ぶこと数時間。

昼になってようやく開店し

店内に入ったものの、案の定

狙いの角台は全て押さえられていた。

とは言え、角台以外にも設定6は入るので

とりあえず二人で探すことにした。


・・・が、私はアラジンAを、テコは大タコスロを

確保するも、どちらも設定6ではない。

その後は移動をして何台か探すも、一向に

6が見つからない。


そして夕方。

この日は角台以外に設定6は使っていない

ということが分かった頃には二人合わせて

10万負けていたのだった。


やはり店長の胸ぐらを掴んでぶん殴ってやろうと

思ったが、店長の姿がどこにもない。

顔を真っ赤にした私の怒りは一向に収まらず

結局トイレの便器の横に糞をして帰宅。


パチ屋での大失敗はもちろん立ち回りも含めて

これまでに何度となくあるが、神輿で5万枚を

掘られた話と、今回の並び場所を間違えて

設定6を取り損ねてクソ負けしたという話は

今でも深く印象に残っている。
パチスロ名機物語7～一撃5万枚のチャンスを掴む男～


皆さんも熱いイベントに行く際は

私のような苦い思いをしないためにも

事前に並び場所や抽選時間など

しっかり確認した上で挑んでいただきたい。