道外れの人生(改)

■リーチ目爺さん
当時ユニバの三大巨頭であるハナビ、バーサス

サンダーVが大人気となっており、特にハナビは

若者から年配客まで絶大なる支持を得ており

どこもかしこもこの3機種を大量導入していた。
※バーサスが一番不人気。

正にユニバーサル黄金期だと言っていいだろう。


・・・そんな中、私は家から車で20分くらいのところに

あった今は亡きG店。

ここで初めてグロリアハーツと対面する。




G店は郊外の広い道路沿いに面した

古いパチンコ屋で、7枚交換ではあったものの

毎日高設定を使っていた店で

よくコンドルやバンバンなどを打ちに行っていた。


98年某日。

私はその日、花火か何かを打ち、ツモれずに

負けてしまい、他に何か打てる台はないかと

たどり着いたのがグロリアハーツである。

この機種はつい数日前に新台入れ替えで

導入されたばかりだったものの、すぐに客が飛び

島には爺さん一人しか居なかった。

とにかく他のユニバ系の機種に比べて辛い台

それだけは知っていた。


・・・と、島の端でどうしようか迷っていると

爺さんが手招きしている。

どうしたのかと近づいてみると・・・


「お兄ちゃん、押してくれます？」


©瑞穂製作所


見ると、思い切り上段にドラゴンが揃っている。


（これでビッグがスタートしていないのか？）


そう思いながら7を揃えてあげる私。

前述の通り、ドラゴン揃いは0枚役の

鉄板リーチ目であり、さらに上段ドラゴン停止からの

中リールズルスベリドラゴンテンパイは激アツ

となっていた。


・・・で、何故か敬語口調のこの爺さん。

以前も当ブログで紹介したことがあるが

私が打ちに行くパチンコ屋には大体居て

やたらとリーチ目に詳しいものの、目押しができない。

4号機のゲッターマウスで中押しや逆押しの

リール制御まで記憶しているほどの強者。

ネットや雑誌を見たからではなく、あくまで

自分で体験した実戦によるものだ。

何でも他を頼りにする今のゆとり野郎達には

爪の垢を煎じて飲ませたいものである。


で、爺さんの目押しをしてあげたついでに

私もコイツを打ちたくなった。

全台のデータを見ると、稼働は低いものの

確率は悪くはない。

7枚交換であり、スペックもユニバ系にしては

そこまで甘くはない。

どちらかと言えば等価仕様の台。

おそらく設定は使っていたのだろう。

とりあえず前日一番回数が付いていた台に着席し

打ってみることに。


これが打ってみると、正にRPG。

ドラクエを強く意識したような音楽と絵柄が

カッコいいし、スベリが面白い。

記憶が確かなら左上段ドラゴン停止＋中リール

4コマスベリ上段ドラゴンテンパイは2確だった？


・・・そんな感じで楽しみながら、爺さんの目押しもしつつ

ハズシも何とかこなし、1箱くらいにはなっただろう。
※設定判別はしていない。


「お兄ちゃん、面白いでしょ？」


夕方頃、先にヤメていた爺さんが

こう話しかけてきた。


「明日W店が新装でこれと似た機種が
入るんですよ」


©瑞穂製作所


爺さんが言っている機種はグロリアハーツと

同時期に登場したシベリアーナのことだったかと思うのだが

良かったら明日一緒に朝から並ばないかと

誘われたのである。


・・・正直辛めの機種とのことらしいし、W店は新台が

弱かったため、あまり乗り気ではなかったため


「明日は○○で打つのでヤメときますよ」


そう断ると、爺さんは寂しそうな表情をして

帰っていった。

私を目押しマシーンにさせたかったのか

それとも若者と一緒に並んで新台を

打ちたかったのか・・・


その爺さんの誘いを断ったことを

少しだけ後悔している。