道外れの人生(改)

■全台設定6イベントに参加
この機種が登場した頃は相変わらず

大花火やグランシェル、デュエルドラゴンR、たまに

タイムクロスなどをメインに喰っていたわけだが

そんな中、当時馴染みだったM店に乾杯が

新台で導入された。




M店は郊外の小さな道路沿いに面した

パチンコ屋で、1999年末にオープンした。

店内は小さめだったものの、オープン当初は

大花火を筆頭にリズムボーイズのリプレイ前兆バージョンや

ゴールデンベルのレギュラー状態バージョンなど

裏モノコーナーも圧巻の出玉で、それなりに

オイシイ思いをした店である。


乾杯はゴールデンベルの裏の島に一列導入

されたのだが、新台当初こそそこそこの

客が付いていたものの、すぐに客が飛んでしまう。

前述の通り、出ないと噂されて以降、攻略誌などが

独自に解析したところ、リプレイ成立の次ゲームは

ボーナス抽選を行わないバグが発覚したため

客飛びは一層加速してしまった。


そこで店側は何とか対策を取ろうと

台の設定を上げることで、脱却しようとした。

最初は全台設定5。

それでも出ない。

客が付かない。

最後は全台設定6。

それでも出ない。

客が付かない。

そのため困った店側は連日全台設定6にして

営業を続けたわけだ。


・・・2000年某日。

当時はネットの機種は操作性が悪く

あまり好きではなかったのだが、さすがに

全台設定6となれば、打ってみようか

という気持ちになった私。

新台導入から一か月程度は経っていたと思うが

朝一は大花火か何かの機種を打った後

軽い気持ちで着席。


・・・これが出目こそイマイチだったものの

液晶演出は新鮮だった。

通常時に第三停止後、ルーレットが回り

ビール絵柄で停止すると、主人公のひろし達が

居酒屋へ直行。

そこで酒の一気飲みに成功すれば

ボーナス確定となる単純な液晶演出なのだが

一気飲みの最中は周りの応援団が「がんばれー」

と応援する。

その声がなんともチープで耳に残るのである。
※ちなみに演出はキャンセルできない。




ただ、やはり8Gに1回はボーナス抽選を行わないため

とにかくボーナスが重い。

当然設定3程度の機械割に落ち込んでしまうのは

キツイ。

とは言え、腐っても6だ。

スーパービッグ直撃打法を使えば

十分勝負にはなる。

終日完璧に打てば4万くらいの日当には

なっただろう。

そのため一部では、M店の乾杯設定6を狙いに

来ていたプロ連中も居た。


ただ私は初打ちで十分満足してしまった。

正直液晶をキャンセルできないことと

出目がつまらない点から、とても終日打つ気には

なれなかった。

これならば等価のコンドルやタコスロを打った方が

楽しいし、終日打てるし喰える。
※設定1以外もあったため。

今の機種で言うならば、乾杯は設定1（左中右）と

分かっている愛姫を終日打つのと同じくらいの苦痛

だったのである。
※乾杯設定6の攻略法ありの方が機械割は
断然高いが。




この致命的なバグさえなかったら、それなりには

打てた機種だったものの、客側が損をする台など

好き好んで打つ者は居ない。

結局、M店の乾杯は全台設定6にしたことで

最終的に一部のプロ連中に抜かれ、程なく

撤去される。


・・・そしてM店はその後間もなくして閉店。

パチスロ生活を始めて2年程だった駆け出しの

当時の私にとってネットの機種とはあまり縁がなく

操作性が悪いというイメージだけだったものが

乾杯のせいで辛いというイメージまで定着してしまった。


乾杯はパチンコ屋でするものではない。

居酒屋でするものである。