道外れの人生(改)

■攫われた？打ち子A
前述の通り、以前紹介した記事に登場するR店。

ここは地元民しか近寄らないような田舎にあった

パチンコ屋であるのだが、導入間もなく

裏モノ化したブルーラグーンの状況が良く、毎日

何台かにリセットモーニングが仕込んであった。




裏モノのために攻略法は使えなかったのだが

毎日リセットモーニングがある上に、設定も

良かったのか連日一万枚オーバーの台が

続出していた。

そこに目を付けた私は某日、テコAを一人雇い

R店に向かうことにした。

開店直前に到着するも、並んでいる客は

地元の年配客と、如何にも裏モノが好きそうな

チンピラ数人。

これならば狙い台は取れるということで

私とAの両方共に台確保。


・・・で、いざ打ち出すと、私の台は残念ながら

リセットモーニングには引っかからなかったのだが

Aの台が速攻でビッグを引き、連チャン。

この台は当時裏モノの仕様で人気だった

32Gバージョンで、強烈な連チャンこそないものの

良い台であれば、コンスタントに初当たりを引けて

連チャンもするわけだ。
※32G以内に連チャンしやすい。


・・・私の台はリセットモーニングも無く

そこから続行する価値はないと考えて

普通のノーマル機に移動。

Aがリセモから爆裂しているので

それが一段落するまではと、ノーマル機で

変更判別などをしていた。


・・・が、事件はその時起こる。

開店からしばらく経って、そろそろAの連チャンも

終わった頃だろうとブルーラグーンの島に戻ると

彼が居ない。

30パイコインではあるが、ドル箱3カチカチで

空席中。

トイレにでも行っているのかと、そこで待っていたのだが

いくら経っても戻ってこない。

おかしいなと思いつつ、携帯に電話してみるものの

一向に出ない。

コンビニにでも行っているのだろうかと

とりあえず自分が打っている台に戻ったのだが

その後も折り返しの電話もないので

再度トイレに行くついでに彼の台を見に行くと・・・


すっからかん。

Aも居ない上に台の上にあったドル箱が

綺麗さっぱり無くなっているではないか。

まるで狐に包まれたような感覚に陥った私は

しばし茫然としていると、常連らしきチンピラが

話し掛けてきた。


チンピラ「兄ちゃんこれ打ってた奴の知り合いか？」


私「違います。」


咄嗟に危険を察知した私は即答でそう返答し

その場を後にし、すぐに自分が打っていた台のコインを

流して店を出た。

そのまま車に戻ると、Aが青白い顔で

助手席に乗り込んできた。

そこでこれまでの一部始終を聞くと、ヤクザみたいな

男に店の外に連れ出されて因縁を付けられて

車に乗せられたと。




どうやらAが朝一に座った台は、その

ヤクザみたいな男が狙っており

出した分のコインは俺のものだ、島を荒らすな

などと言われたようだ。


だが、そのヤクザみたいな男は朝一には

居なかったようで、実に理不尽な話である。

おそらくは常連のチンピラ数人の仲間で

テコのコインも彼らが勝手に流したようだ。

それも私に話しかけてきた男だろう。


・・・話を聞いて腹が立ってきた私は

店に戻って文句を言おうにも、相手はアメリカの

刑務所に居るような屈強な3～4人組で

どう見ても勝ち目はない。




仕方なく3,000枚のコインを諦めた私は

警察を呼ぼうかとも思ったが、もしそれで

他店で遭遇してしまっては面倒だということで

結局何もせずに、以降R店に近づくことはなかった。
※その10数年後のリニューアルオープンには
行ったが。


・・・このように昔はパチンコ屋の台取りで揉めて

ヤクザに攫われるなんて話は稀にあったのだ。

台を取った後、席に戻るとヤクザが着席していた

なんてこともあったし、特に地域密着型の小規模店で

常連しか居ないようなところでは、裏モノの島には

必ずと言っていいほどヤクザ紛いの男達が

巣くっていたのである。

それに比べると現在の綺麗な女性客が多い

パチンコ屋は居心地の面に関してだけ言えば

パラダイスなのかもしれない。