パチスロ裏モノ・セット・ネタ攻略プロの常連ヤクザに飲みに誘われた思い出
- 2021/05/03
- 11:40
■裏沖スロの走りは?
2000年にシオサイの後継機として登場してから
瞬く間に裏モノ化し、一部のスロッターの間で
人気となった『ハイハイシオサイ-30』

©パイオニア

※スペックについては過去記事参照。
32Gバージョンの元祖!6号機『ハイハイシオサイ』設定5丸わかり!実践データ・初打ち感想、8/10稼働。
当ブログでも何度か登場している本機は
シオサイの後継機ということで、話題には
なったものの、当時はまだまだ沖スロは
本土の設置が少なく、本格的に設置が多くなったのは
このハイシオ、その後登場するハナハナ辺り
からで、パイオニアブランドが一気に
世に躍り出たのもこの時期だ。
いわゆるこれが沖スロブームである。
ハイビスカスを告知ランプとして初搭載した沖スロ「シオサイ」の思い出~パチスロ名機物語外伝57~
で、ハイシオの裏モノで有名なのが32Gバージョン。
32G連チャンの走りと言われ、今でも様々な機種に
受け継がれているわけだ。
・・・今回はこのハイシオ32Gバージョンを設置していた
とあるパチンコ店での思い出を紹介しよう。
■ネタプロのヤクザSと仲良くなる
2000年春。
グランドオープンしたばかりのT店で大花火をメインに
立ち回っていた私だったが、その近隣店に
Uという古臭い店があった。

U店は私が幼い頃から営業する
昭和ながらの小さな店で、常連客が支えているような
パチンコ屋。
客層は年配客が多く、あとは常連のヤクザ数人と
主婦がメインで、プロらしき連中はほとんど
見掛けたことはなかった。
おそらくハイシオの島に居座っている常連の
ヤクザ達が一見のプロを一掃していたのだろう。
そういった意味ではライバルも居らず、イベント時は
それなりに使える店だったわけである。
設置機種は当時大人気の大花火、導入されたばかりの
キングオブザタイガー、ジャグラー他、そして
ハイハイシオサイなど。
イベント時になると、これらのメイン機種に
高設定を投入していた。
・・・私はオープン間もないT店で
設定狙いにスカると、U店を覗くという
パターンが多かったのだが、T店に対抗していたのか
U店もそれなりの出玉感があった。
U店では主にキングオブザタイガーを
打っていたのだが、この機種は過去に紹介した
こともある通り、設定1でも機械割が105%になる
激甘スペック。
懐かしの4号機時代(中期)の激甘機種達
にもかかわらず、イベント時になると高設定を
投入していたので、打たない手はなかった。
・・・そんなある日。
U店の月一イベントに朝から出向いた。
いつもならT店で打ってからだったのだが
T店もオープンから一か月程度経過し
設定状況も落ち着いてきた。
そんなこともあって珍しく朝一から
U店に直行したというわけだ。
で、程なく開店し、無事に狙い台の
キングオブザタイガーを確保。
意気揚々と回していたのだが、昼過ぎになって
一箱カチ盛りくらいになった頃だろうか。
何やら島の端から視線を感じた。

見た目はアロハシャツにサンダル。
薄茶色のサングラスをした常連のヤクザが
タバコをふかしながらコチラを見ている。
「ヤバイかな・・・?」
そう感じた頃には時すでに遅し。
「兄ちゃん、朝からなんでこんなとこに居るのよ?」
「T店じゃないのか?」
何故か私がT店をメインにしていたことを
知っているヤクザ。
大方、U店に私が来て邪魔だから追い出そう
という魂胆だろう。
そう思っていたのだが、なんと彼から
差し出されたのはコーヒー。
「ハイシオ打った方がいいぞ、ここ6入れてるからよ」
・・・これは想定外だった。
てっきり絡まれて、ここは俺の店だとか
イチャモンを言われて追い出されるのかと
思っていただけに、まさかハイシオの情報ばかりか
コーヒーまでご馳走になろうとは。
正直ハイシオの状況が良いことも
リセットモーニングもあることは知っていたが
彼のような常連が数人居たため、敬遠していたのだ。
結局この日は結局キングオブザタイガーを打ち切り
それなりの日当を得たわけだが、ヤクザからの
許しも得たことだし、翌日からはU店で
ハイシオのリセットでも頂こうとなったのである。
・・・で、翌日。
開店前にU店に到着し、前日話しかけてきた
ヤクザにお礼のコーヒーを渡すと・・・
「おはよう、今日は何打つのよ?」
彼の質問にハイシオですと答えると
明らかに表情が曇った。
「あれ?まずかったか?」
そう思ったのも束の間、オープン。
ダッシュでハイシオを一台確保し、回す。
すると狙い通りに32G以内にヒットし
連チャン。
取り切ったところでヤメて流したのだが
例のヤクザがまたしても話しかけてきた。
「今日終わったら焼肉行くべ、俺奢るから」
この時はまだ昼前で、他店に移動しようと
思っていたので、とりあえず連絡先を交換し
店移動。
正直面倒なことになりそうだなと思いつつ
何せやっていることは同じパチプロだ。
ここで無視して連絡を絶つことも可能だったが
それをやってしまえば、他店で遭遇した時に
マズイ。
なので仕方なく、彼の約束を守り、夜指定された
焼き肉店で合流することになった。
「おお、遅くなったな、とりあえず店入ろうや」
てっきりU店の仲間も連れてくるのかと
思ったのだが、幸いにも彼は一人だった。
で、とりあえずビールで乾杯して軽い自己紹介が
始まった。

彼の名前はS。
歳は40代(覚えていない)で、パチプロの
傍ら、飲食店を経営しているとのことだった。
まだ20代だった私からすれば、昔ながらの
パチプロに対して興味津々で、彼の4号機以前の
話を聞くことが面白かったのだ。
で、嘘か本当かはわからないが、Sが20代の頃は
主に1~3号機の攻略ネタや裏モノのセットやゴトで
生計を立てていたらしく、それで勝った金で
飲食店を始めたという。
当時こういう年上のプロと交わることが何度も
あったのだが、皆決まって過去の攻略法の
武勇伝を語りだし、今は金貸しか飲食店を
経営していてパチスロはあくまでも
暇つぶしだと言うのだ。
本当は今でもヤクザの端くれでパチスロが
収入のメインじゃないのかと思いつつも
彼の武勇伝を2時間ほど聞かされて
その日は解散。
「またU店でな」
「ご馳走様でした、今度俺が奢りますよ」
焼き肉は言った通り全てご馳走してくれた。
朝一で彼の表情が曇っただけに、ハイシオの
リセットを打ったことに対して何か言われるのかと
思ったのだが、それはなかった。
それどころか特に私から何か情報を聞き出そうとも
金を無心してこようともしてこなかった。
彼のような人種は先に優しくしておいて
相手を油断させておいてから金を引き出すのが
上手い。
だが単に同じプロとして仲良くしたかっただけなのか
それとももう少し仲良くなって本性を
見せるのか。
ひょっとしたら私に害が及ぶことはないのかも
しれない。
そう考えながらこの日は帰路に就いた。
・・・ただこの日以降、私がU店に行くことは
二度となかった。
私がこれまでパチンコ屋で大きな揉め事を
起こすこともなく、ひっそり生きてこられたのは
Sのような連中と距離を置いてきたからである。
その後何度か彼から連絡があったのだが
私は一切電話に出ることもせず、20年が経った。
今、Sは60代だ。
既に閉店してしまったU店は現在駐車場に
なっており、彼と再会する手段はないが
たまにU店の近くを通ると、ふと思い出す。
私に肉をご馳走してくれた元ネタプロのヤクザSへの
お礼はまだしていない、と。
2000年春。
グランドオープンしたばかりのT店で大花火をメインに
立ち回っていた私だったが、その近隣店に
Uという古臭い店があった。

U店は私が幼い頃から営業する
昭和ながらの小さな店で、常連客が支えているような
パチンコ屋。
客層は年配客が多く、あとは常連のヤクザ数人と
主婦がメインで、プロらしき連中はほとんど
見掛けたことはなかった。
おそらくハイシオの島に居座っている常連の
ヤクザ達が一見のプロを一掃していたのだろう。
そういった意味ではライバルも居らず、イベント時は
それなりに使える店だったわけである。
設置機種は当時大人気の大花火、導入されたばかりの
キングオブザタイガー、ジャグラー他、そして
ハイハイシオサイなど。
イベント時になると、これらのメイン機種に
高設定を投入していた。
・・・私はオープン間もないT店で
設定狙いにスカると、U店を覗くという
パターンが多かったのだが、T店に対抗していたのか
U店もそれなりの出玉感があった。
U店では主にキングオブザタイガーを
打っていたのだが、この機種は過去に紹介した
こともある通り、設定1でも機械割が105%になる
激甘スペック。
懐かしの4号機時代(中期)の激甘機種達
にもかかわらず、イベント時になると高設定を
投入していたので、打たない手はなかった。
・・・そんなある日。
U店の月一イベントに朝から出向いた。
いつもならT店で打ってからだったのだが
T店もオープンから一か月程度経過し
設定状況も落ち着いてきた。
そんなこともあって珍しく朝一から
U店に直行したというわけだ。
で、程なく開店し、無事に狙い台の
キングオブザタイガーを確保。
意気揚々と回していたのだが、昼過ぎになって
一箱カチ盛りくらいになった頃だろうか。
何やら島の端から視線を感じた。

見た目はアロハシャツにサンダル。
薄茶色のサングラスをした常連のヤクザが
タバコをふかしながらコチラを見ている。
「ヤバイかな・・・?」
そう感じた頃には時すでに遅し。
「兄ちゃん、朝からなんでこんなとこに居るのよ?」
「T店じゃないのか?」
何故か私がT店をメインにしていたことを
知っているヤクザ。
大方、U店に私が来て邪魔だから追い出そう
という魂胆だろう。
そう思っていたのだが、なんと彼から
差し出されたのはコーヒー。
「ハイシオ打った方がいいぞ、ここ6入れてるからよ」
・・・これは想定外だった。
てっきり絡まれて、ここは俺の店だとか
イチャモンを言われて追い出されるのかと
思っていただけに、まさかハイシオの情報ばかりか
コーヒーまでご馳走になろうとは。
正直ハイシオの状況が良いことも
リセットモーニングもあることは知っていたが
彼のような常連が数人居たため、敬遠していたのだ。
結局この日は結局キングオブザタイガーを打ち切り
それなりの日当を得たわけだが、ヤクザからの
許しも得たことだし、翌日からはU店で
ハイシオのリセットでも頂こうとなったのである。
・・・で、翌日。
開店前にU店に到着し、前日話しかけてきた
ヤクザにお礼のコーヒーを渡すと・・・
「おはよう、今日は何打つのよ?」
彼の質問にハイシオですと答えると
明らかに表情が曇った。
「あれ?まずかったか?」
そう思ったのも束の間、オープン。
ダッシュでハイシオを一台確保し、回す。
すると狙い通りに32G以内にヒットし
連チャン。
取り切ったところでヤメて流したのだが
例のヤクザがまたしても話しかけてきた。
「今日終わったら焼肉行くべ、俺奢るから」
この時はまだ昼前で、他店に移動しようと
思っていたので、とりあえず連絡先を交換し
店移動。
正直面倒なことになりそうだなと思いつつ
何せやっていることは同じパチプロだ。
ここで無視して連絡を絶つことも可能だったが
それをやってしまえば、他店で遭遇した時に
マズイ。
なので仕方なく、彼の約束を守り、夜指定された
焼き肉店で合流することになった。
「おお、遅くなったな、とりあえず店入ろうや」
てっきりU店の仲間も連れてくるのかと
思ったのだが、幸いにも彼は一人だった。
で、とりあえずビールで乾杯して軽い自己紹介が
始まった。

彼の名前はS。
歳は40代(覚えていない)で、パチプロの
傍ら、飲食店を経営しているとのことだった。
まだ20代だった私からすれば、昔ながらの
パチプロに対して興味津々で、彼の4号機以前の
話を聞くことが面白かったのだ。
で、嘘か本当かはわからないが、Sが20代の頃は
主に1~3号機の攻略ネタや裏モノのセットやゴトで
生計を立てていたらしく、それで勝った金で
飲食店を始めたという。
当時こういう年上のプロと交わることが何度も
あったのだが、皆決まって過去の攻略法の
武勇伝を語りだし、今は金貸しか飲食店を
経営していてパチスロはあくまでも
暇つぶしだと言うのだ。
本当は今でもヤクザの端くれでパチスロが
収入のメインじゃないのかと思いつつも
彼の武勇伝を2時間ほど聞かされて
その日は解散。
「またU店でな」
「ご馳走様でした、今度俺が奢りますよ」
焼き肉は言った通り全てご馳走してくれた。
朝一で彼の表情が曇っただけに、ハイシオの
リセットを打ったことに対して何か言われるのかと
思ったのだが、それはなかった。
それどころか特に私から何か情報を聞き出そうとも
金を無心してこようともしてこなかった。
彼のような人種は先に優しくしておいて
相手を油断させておいてから金を引き出すのが
上手い。
だが単に同じプロとして仲良くしたかっただけなのか
それとももう少し仲良くなって本性を
見せるのか。
ひょっとしたら私に害が及ぶことはないのかも
しれない。
そう考えながらこの日は帰路に就いた。
・・・ただこの日以降、私がU店に行くことは
二度となかった。
私がこれまでパチンコ屋で大きな揉め事を
起こすこともなく、ひっそり生きてこられたのは
Sのような連中と距離を置いてきたからである。
その後何度か彼から連絡があったのだが
私は一切電話に出ることもせず、20年が経った。
今、Sは60代だ。
既に閉店してしまったU店は現在駐車場に
なっており、彼と再会する手段はないが
たまにU店の近くを通ると、ふと思い出す。
私に肉をご馳走してくれた元ネタプロのヤクザSへの
お礼はまだしていない、と。
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